「動画編集アプリを開いたけれど、何から始めればいいか分からない……」
「操作説明の動画を作りたいけれど、説明する順番がまとまらない……」
そんな経験はありませんか?
動画編集で手が止まる原因は、編集ソフトの操作が難しいからとは限りません。
そもそも、何を、どの順番で、何秒見せるかが決まっていないことが原因かもしれません。
そこで役立つのが、Excelを使った「動画設計書」です。
この記事では、Excelで動画の構成を整理し、AIに台本を相談し、Clipchampで動画に仕上げる方法を初心者向けに解説します。
動画編集が苦手な人ほど、先に設計することが大切
ケンさん(SE)チャー、Excelの操作説明を動画にしたいんだけど、Clipchampを開いても何から始めればいいか分からないんだ。



ケンさん、動画を編集する前に、何を説明するか決めてあるかにゃ?



うーん。とりあえず画面を録画してから考えようと思っていたよ。



それなら、まずExcelで動画の設計図を作ってみるにゃ!
動画編集では、次のような作業が必要になります。
- 操作画面の録画
- 動画素材の配置
- 不要な部分のカット
- 字幕やテロップの追加
- ナレーションの作成
- 表示時間の調整
- 動画の書き出し
これらを編集しながら一つずつ考えていると、時間がかかりやすくなります。
特に初心者の場合、動画の完成形が見えないまま編集を進めると、途中で何を伝えたいのか分からなくなることがあります。
そこで、編集を始める前に動画の構成を整理します。
「設計してから編集する」ことが、迷いを減らす第一歩です。
Excelで作る「動画設計書」とは?
動画設計書とは、動画の各場面について、表示内容や説明、長さなどを整理した表のことです。
例えば、次の4つを決めます。
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 画面 | 何を見せるか |
| テロップ | どんな文字を表示するか |
| ナレーション | 何を話すか |
| 時間 | 何秒間表示するか |
これらをExcelで一覧にすると、動画全体の流れを把握しやすくなります。
さらにExcelの計算式を使えば、各場面の開始・終了時刻や合計時間を求めることもできます。
ただし、ここで誤解しないでほしいことがあります。
Excelの設計書をClipchampへ読み込ませるだけで、動画が自動完成するわけではありません。
Excelはあくまでも設計と管理のために使います。
実際の動画編集は、Clipchampなどの編集ソフトで行います。
具体例:30秒のExcel操作説明動画を設計する
今回は、Excelのフィルター機能を紹介する短い動画を例に考えてみましょう。
| 場面 | 時間 | 画面の内容 |
|---|---|---|
| 1 | 0〜4秒 | タイトル |
| 2 | 4〜10秒 | Excelの表を表示 |
| 3 | 10〜21秒 | フィルター操作 |
| 4 | 21〜27秒 | 絞り込み結果 |
| 5 | 27〜30秒 | まとめ |
このように場面を分けると、必要な画面や説明の順番が明確になります。
実際には、ナレーションやテロップもExcelに記入しておきます。
なお、上記の秒数は説明用の例です。実際に録画・読み上げをしてみて、必要に応じて調整します。
AIに動画の台本と画面構成を相談する
動画設計書を作ったら、次はAIを活用します。
ChatGPT、Claude、Geminiなどの文章生成AIは、動画の構成やナレーション案を考える際に利用できます。
例えば、先ほどの設計内容を伝えて、次のように依頼します。
AIへの依頼文の例
Excelのフィルター操作を説明する30秒動画を作ります。
場面は5つで、時間配分は次のとおりです。
1. 0〜4秒:タイトル
2. 4〜10秒:Excelの表を表示
3. 10〜21秒:フィルター操作
4. 21〜27秒:絞り込み結果
5. 27〜30秒:まとめ
動画編集初心者にも分かるように、ナレーションとテロップの案を作成してください。
各場面の時間に収まるように、説明を簡潔にしてください。
結果はExcelへ貼り付けやすい表形式で提示してください。
こうした依頼なら、AIも動画の目的と構成を把握しやすくなります。
しかし、AIの回答が必ず正しいとは限りません。
実際のExcel操作と説明が一致しているか、声が時間内に収まるかは、自分で確認する必要があります。
AIには案を作ってもらい、採用するかどうかは人が判断する。
これが大切な考え方です。
Clipchampで設計書どおりに動画を作る
次はClipchampを使って、実際の動画を組み立てます。
基本的な作業の流れは次のとおりです。
- 説明に必要な画面を録画する
- 録画した素材をClipchampへ読み込む
- Excelの動画設計書に沿って素材を並べる
- 不要な部分をカットする
- テロップとナレーションを追加する
- 再生して内容を確認する
- 動画を書き出す
このとき、設計書があれば「次にどの画面を見せるのか」「どんな字幕を入れるのか」を確認しながら進められます。
最初からすべての素材やセリフを完璧に決める必要はありません。
実際に編集してみて、うまくいかなければ設計書を修正すればよいのです。
動画の微調整は自分で行ってもいい



チャー、動画はできたけど、字幕の表示が少し短いんだ。これもAIに相談した方がいいかな?



その程度なら、ケンさんがClipchampで直した方が早いかもしれないにゃ。



なるほど。何でもAIに任せる必要はないんだね。
AIに依頼することが、常に効率的とは限りません。
例えば、字幕の誤字を直したり、画面の表示時間を少し延ばしたりするだけなら、自分で編集した方が早い場合があります。
一方、動画全体の構成を変更する場合や、ナレーションを大幅に書き直す場合には、AIに相談すると役立つことがあります。
小さな修正は自分で、大きな構成変更は設計書とAIを活用する。
そんな使い分けもおすすめです。
Excelの動画設計書は、修正や再利用にも役立つ
動画設計書の利点は、初めて動画を作るときだけではありません。
例えば、業務手順を説明する動画を作成した後、説明するルールが変更されたとします。
設計書がないと、どの場面を修正すればよいか確認するところから始めなければなりません。
一方、設計書が残っていれば、変更対象の場面やナレーションを探しやすくなります。
例えば、架空の備品購入フローで、承認が必要となる条件が「5万円以上」から「3万円以上」に変わったとしましょう。
その場合は、動画の中で次のような部分を確認します。
- 判断条件を説明する場面
- フロー図に表示された金額
- ナレーションの説明
- テロップの文字
- 変更後の動画の表示時間
このように、設計書をもとに修正内容を整理すれば、変更漏れを減らしやすくなります。
実際の編集を終えたら、必要に応じて設計書にも変更を反映しておきましょう。
次に同じ動画を修正するときに、古い設計書を参照してしまうことを防げます。
Kindle新刊『Excel×AI×Clipchamp 動画作成術』を出版しました
今回ご紹介した動画制作の考え方を、初心者向けの実践書としてまとめました。
『動画編集が苦手な人のための Excel×AI×Clipchamp 動画作成術』
本書では、Excelの動画設計書を作るところから始め、AIによる台本作成、Clipchampでの編集、30秒の解説動画、3分の動画マニュアル、完成後の修正・再利用まで解説しています。
本書の特長
- 全7章で、動画制作の基本から応用まで段階的に学べる
- 導入マンガや図説で、初心者にも分かりやすく解説
- 30秒の短い解説動画から、18場面・3分の動画マニュアルまで扱う
- Excelの動画設計書テンプレートやdraw.ioの作例など、実習用の配布教材を用意
- AIに任せる作業と、自分で確認・修正する作業を区別して説明
特に、Excelで動画の設計書を作り、AIと相談しながら動画を完成させるという流れを重視しています。
AIに任せれば自動で動画が完成する、という内容ではありません。
AIを活用しながら、自分で動画制作を進められるようになるための一冊です。
こんな方におすすめです
- 動画編集に苦手意識がある方
- Excelの操作説明動画を作りたい方
- 仕事の手順を動画マニュアルにまとめたい方
- AIを動画制作に活用したい方
- 完成した動画をあとから修正・再利用したい方
本書には、練習に使えるExcelの設計書や作例などの配布教材も用意しています。
教材の入手方法は書籍の巻末でご案内していますので、本文の実習に沿ってご利用いただけます。
Amazon Kindleで販売中です。
まとめ:設計はExcel、相談はAI、仕上げは人間
動画編集が苦手な方は、いきなり編集アプリを開くのではなく、まず「どんな動画を作るのか」をExcelで整理してみましょう。
動画の目的、表示する画面、ナレーション、時間が決まっていれば、編集作業を進めやすくなります。
そして、AIには台本や構成の案を考えてもらい、Clipchampで実際の動画を組み立てる。
必要な修正は、自分で行ったり、AIに相談したりしながら調整する。
設計はExcel、相談と再構成はAI、仕上げと最終判断は人間。
これが、今回おすすめしたい動画制作の進め方です。
まずは30秒の短い解説動画から、ぜひ試してみてください。




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