Accessが遅いと感じている方は、設計や運用方法を見直すことで、そのパフォーマンスを劇的に改善できる可能性があります。
Accessが遅くなる原因としてよくある誤解を解き明かし、具体的な改善策をご紹介します。

Accessが遅いのは仕方ない?



いいえ、Accessは設計と運用次第で十分に速く動かせます。
- クエリの実行速度改善
- フォームの動作改善
- ネットワーク環境での最適化
- 業務効率化への貢献



Accessって遅くない?
そう言われる場面に、ITエンジニアやSEなら一度は出会ったことがあるのではないでしょうか。
でも、それは本当にAccessのせいなのでしょうか?



結論から言うと、「設計・運用次第でAccessは十分に速く動かせます」。
むしろ、“遅い”と言われる原因の多くは設計ミスや運用上の落とし穴にあります。
本項では、その代表的な誤解と原因について解説します。
● Accessが遅くなる4つのよくある誤解
1. クエリの実行が遅いのはAccessが原因?
実は、クエリの構造が複雑すぎたり、適切なインデックスが設定されていないことが原因の場合が大半です。SQL Serverでも似たような設計をすれば同じように遅くなります。
2. フォームがモッサリするのはAccessの仕様?
不要なイベント処理や、DLookupなどの関数を多用している場合、処理が重くなりがちです。VBAでの記述やサブフォーム設計の見直しで改善できることも多いです。
3. ネットワーク越しに遅いのは仕方ない?
確かにAccessはファイルベースのDBなのでネットワークの影響は受けやすいですが、フロントとバックエンドの分離や、ODBCリンクの工夫で対策できます。
4. 処理の全体的な遅さはAccessの限界?
Accessは小規模から中規模のシステム向けに適しています。スケールの限界はありますが、適切な設計を行えば業務効率化の強力な武器になります。
● ボトルネックは“使い方”にある
Accessの遅さは、その多くが「Accessならではの癖」を知らずに設計・実装してしまうことから始まります。
たとえば:
- ネストされたサブクエリ
- 条件付き関数の多用(IIF, Nz)
- 不要な再描画・再計算
- 不適切なリレーション設計
これらを回避するだけでも、驚くほど処理速度が改善されることもあります。
● Accessは、正しく使えば業務効率化に繋がる
「Access=遅い」は過去の印象であり、正しい設計と知識があれば十分戦える存在です。
本連載では、インデックス設計、クエリ構築、ネットワーク対策、SQL Serverとの連携までを含めて、Accessの“本気”のパフォーマンス改善を掘り下げていきます。
📘 本記事は、現在執筆中の電子書籍『Accessパフォーマンス革命!(仮)』より抜粋した内容です。
完成まで、連載形式でお届け予定です。
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