目次
はじめに

Accessで作ったクエリ、なんだか遅い…。
実は、「設計のちょっとしたミス」が、パフォーマンス低下を招く原因になっているかもしれません。



この記事では、「Accessが遅い」と感じたときに見直してほしい
クエリ設計の落とし穴を紹介します。
クエリが遅くなる3つの原因と対策
1. 不必要なテーブル結合が多すぎる
問題点:
必要以上にテーブルを結合していると、処理が重くなります。
とくに「1対多」や「多対多」の関係を意識せずに結合すると、思わぬ遅延が発生します。
対策:
- 必要なテーブルだけに絞る
- データ構造(正規化)を見直す
- サブクエリや一時テーブルで処理を分割する
2. 漠然とした条件指定(WHERE句)が遅延を生む
問題点:
「Like ‘○○‘」や「Is Null」など、インデックスが効きにくい条件を多用していませんか?
対策:
- ワイルドカードの使い方を見直す(前方一致を避ける)
- NULL判定よりフラグ列の活用を
- 条件列にインデックスを適用することも検討
3. イベント連鎖が“無限ループ”を生む
問題点:
フォームやクエリのイベントが意図せず連鎖し、意図しない再実行が発生していることがあります。
対策:
- TimerやFlagを使って再実行を防ぐ
- クエリやフォームのイベントを見直し、「自分で自分を呼ばない設計」にする
💡補足:Timer や Flag を使ってイベントの“自家発電”を防ぐ方法
たとえば、フォームの AfterUpdate
イベント内で Me.Requery
を実行した場合、
再描画が発生して再度 AfterUpdate
が発火してしまい、無限ループのような状態になることがあります。
こういった“自家発電”を防ぐために、**フラグ(Boolean 変数)**を使って処理を制御します。
Private isUpdating As Boolean
Private Sub Form_AfterUpdate()
If isUpdating Then Exit Sub
isUpdating = True
' 再描画などの処理
Me.Requery
isUpdating = False
End Sub
このように、処理の最初と最後にフラグのON/OFFを設定しておくことで、
自分で自分を呼ばない設計ができ、無限ループを防ぐことができます✨
おわりに:基本に立ち返って、スピードアップ!
Accessのクエリが遅いと感じたら、
まずは設計や結合の仕方を見直してみることが改善の第一歩です。
ちょっとした工夫が、大きな違いになりますよ!
次回予告 📣
次回は…
💡 「インデックスを使っても速くならない?──Access特有の落とし穴」をご紹介予定です!
📚 このブログ記事は、現在執筆中のKindle書籍『Accessパフォーマンス革命!』の内容をもとに連載中です。
完成をお楽しみに♪


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